昨日、「今のEAポートフォリオ運用に加えて、もう1つ、スワップ運用も有効な運用手段にならないか?」という実験で、まずは米ドル円を対象に、適当に考えた売買ルールに基づいてスワップ運用のシミュレーションを行ってみました。
結果は、100万円の運用資金に対して、
13年で約95万円の利益でした。
(為替差益65万円、スワップ益30万円)
シミュレーション期間は、2007年から2019年最新までで、
2007年当初から米ドル円を0.1ロット持ち続けると約12万円の為替変動による損失が発生していたところ、
即席売買ルールによって、為替変動による損失は発生せず、
また、スワップ益も大きく取れるという結果となりました。
しかし、スワップ運用の趣旨を考えると、
目的は、為替変動によるリスクを回避して、
安全にスワップポイントを得ることです。
これに対して、前回の売買ルールでは、
「単純に米ドル円を0.1ロット持ち続ける」ことよりも大きなドローダウンを想定しなければいけないため、いくつかの課題が残されています。
そこで、
「為替差益はいらないから、その分、安全性を高める」
ということに着目し、まずは前回の即席売買ルールを見直しを行いました。
下記が、見直し後の売買ルールです。
- 通貨ペアは、米ドル円(初回分析のため)
- 日足の始値で売買する
- 日足ボリンジャーバンド20本の標準偏差-2σで1枚買い
- 最大2枚の分割買いをする
- 日足ボリンジャーバンド20本の標準偏差+2σで全部決済
前回から、
ボリンジャーバンド12本→ボリンジャーバンド20本
最大3枚の分割買い→最大2枚の分割買い
という変更を行っただけです。
これによって、
売買回数や日々受け取れるスワップ益が減りましたが、
「単純に米ドル円を0.1ロット持ち続ける」ことと同等のドローダウンに抑えながらも、
受け取れるスワップ益を維持し、また、為替変動リスクも抑えることに成功しました。
一見すると、とても良いとは言えない運用成績に見えますが、
実際には、これに「MT4では出力されないスワップ益」が加算されますので、
少なくとも、「単純に米ドル円を0.1ロット持ち続けることより安全」と評価することができるはずです。
ここで、
全く同じ売買ルールを、他の通貨ペアにてシミュレーションしてみますと、
なかなか面白い結果もみることができました。
例えば、豪ドル円。
シミュレーション期間は米ドル円と同じく2007年から2019年最新までで、
売買ロット数も同じく100万円に対して0.1ロット。
その結果は、以下の通りです。
豪ドル円は、2007年には105円、今は70円くらいですから、
単純に2007年から持ち続けていた場合には、55万円の為替変動による損失が発生していたはずです。
一方で、今回のスワップ用売買ルールでは、
為替変動による損失が2万6000円程度。
最大ドローダウンは単純保有と変わらず大きいですが、
2万6000円程度の損失だけで、
高金利だった豪ドル円のスワップをまるまる受け取れてきたことになります。
次に、ニュージーランドドル円。
これも、今は低金利ですが、かつては高金利通貨でしたね。
こちらは、単に為替差損を回避できただけでなく、
米ドル円と同じように16万円程の為替差益が発生しています。
米ドル円も豪ドル円もニュージーランド円も、
全く同じ売買ルールで全てプラスの結果(スワップを含めて計算)ということですから、
売買ルール自体も極めて有効である可能性が高いです。
なお、ニュージーランド円は、
単純に2007年から0.1ロット持ち続けていた場合には、
豪ドル円と同様に莫大な為替差損を受けてしまったはずです。
これでも、今回のスワップ用売買ルールを適用すると、
為替差損を回避できただけでなく、
むしろプラスの為替差益を得ながら、
高金利だったニュージードル円のスワップをまるまる受け取れてきたことになります。
以上のように、
米ドル円も
豪ドル円も
ニュージーランド円も、
全く同じ売買ルールで全てプラスの結果が出ていることから、
- 通貨ペアは、米ドル円(初回分析のため)
- 日足の始値で売買する
- 日足ボリンジャーバンド20本の標準偏差-2σで1枚買い
- 最大2枚の分割買いをする
- 日足ボリンジャーバンド20本の標準偏差+2σで全部決済
という今回のスワップ用売買ルールが有効だと言えると思いますし、
少なくとも、スワップ目的でも「単純にポジション保有しているだけ」ではダメで、
為替変動によるリスクを回避するための工夫は必須といえそうです。
次は、南アフリカランド円などの、
今でも高金利の通貨を対象にシミュレーションしようと思います。
追記
2021.05
スワップ運用は、結局は人による政策次第。
自分の運用成績を、政策や情勢に左右されるようではダメ。
環境に左右されない運用が必須です。